甲斐国見聞録

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忍務其の八の一「文化の継承と新たな可能性、市川和紙を調査せよ!!」

皆様、ご機嫌よう様にござりまする!

千代乃にござりまする。

 

2020年8月10日

CIH様合同取材にて、市川三郷町の特産品「市川和紙」を調査してまいりました!!

 

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↓まずはこちらからご覧くださいませ↓

 

【甲斐の和紙】

その歴史は奈良時代(773年)の記録にも、全国の紙の産地として甲斐の名が記されておるそうです。

市川三郷町には小高い丘や丘陵がいくつもござりまするが、平安時代、現市三郷町大門碑林公園のある辺りに位置する「平塩の丘」には「天台百坊」といわれる、多くの寺院があり、その中の平塩寺の旧記によると、1240年代には多くの漉屋が存在し、この漉屋から漉出された紙が、お写経などに多く用いられていたとされておりまする!

 

【市川和紙の起源】

平安時代後期から鎌倉時代前期に活躍した甲斐源氏の祖、新羅三郎義光の子、源義清市川大門に居を構えた際に伴ってきた、家臣の紙工「甚左衛門」が、この地に紙漉きの技術を伝授したと伝えられておりまする。

 

武田氏時代には、武田家の御用紙とされ、美人の肌のように美しいと「肌吉紙」と呼ばれておりました。

 

現在、市川和紙は障子紙日本一!!

全国シェアの40%を誇っておりまする。

しかし、ピーク時(昭和57年)24軒あった機械漉きは6軒に…

手漉きに関しては約300軒が今やわずか1軒となっておりまする…

 

そんな中、伝統を受け継ぎながら、現代のライフスタイルに合わせた、新たな和紙の可能性を切り開く、金長特殊製紙株式会社様で、まずは

新素材「糸落水」を見せていただきました!

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こちらは、和紙の風合いはそのままに、和紙の間にポリエステル繊維の織物を組み合わせて作られた強度と美しさを備た、まさにハイブリッド和紙!!

落水という手漉きの技法を用い、紙に水を落として穴をあけることで、隙間が作られ間仕切りなどとしても、圧迫感なく使用することができまする。

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糸落水の特徴は…

①外からの視線カット

②自然な光を取り入れられる

③強度

④水に濡れても大丈夫

 

下の写真、わたくし糸落水を挟んだ対面におりますが、わかりますか?

一見これだけ隙間が空いているんだから…と思いまするが、このように適度な目隠し効果がありまする。しかし、光は通す!

非常に驚かされました!!

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さらに驚きが、なんとこちら!

水に濡らして、窓ガラスなどに貼り付けられる!?

えっ?水?…ん?和紙?と、混乱いたしましたが、なんと便利な(゚Д゚))

和紙なので好きな形に簡単にカットでき、水だけで貼り付けることができるので、お子様とも一緒に作業でき、楽しく目隠しやお部屋を飾ることができまするな!

 

そして強度もすごかった!!

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見よ!この成人男性が座っても耐えられる強さ!!

椅子に使用されている和紙が特別な訳ではなく、全て同じ紙にござりまする。

えっ?椅子?…紙?と、再びの混乱。

完全に和紙のイメージが覆された瞬間にござりました。

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こちらでは現在、糸落水のマスクなども開発されており、なんと不織布のマスクよりも、ウイルスを防ぐ効果があるやも知れぬとのこと!

もちろん、和紙ですが洗濯可能。

もし実証されれば、市川三郷町からまさに、クールジャパンとして、世界のICHIKAWAWASHIとなる日が来るかもしれませぬな!!

 

さてこの後は、工場見学もさせていただきました。

大きな機械が沢山。

こちらでは、1分間に約40mの和紙を作ることができるそうにござりまする。

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貴重な体験をさせていただきました。

 

時代のニーズに合わせて進化している和紙。

今までの障子紙の張り替えは手間というイメージを変え、簡単に貼れて意匠性を備た糸落水

今後はデザインや、平面ではなく立体で表現することで、更なる可能性に挑戦していきたいとのお言葉に、熱いものを感じました。

この日は、大学生も参加されており、新たな感性でさらなるイノベーションが生みだされ市川和紙が日本のみならず、世界に知れ渡る日が来るかもしれないと思うと、楽しみにござりまする!

 

最後に、一緒に参加した大学生の姫様方と。

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【取材先】

金長特殊製紙株式会社

http://www.0552725111.com/

↓itorakusui(糸落水)についてはこちら

itorakusui.com

 

千代乃記す

 

其の八の二へ続く…